【大学受験】元研究員が教える天文学が勉強できる大学の賢い選び方

 

こんにちわ、もちお(@mizumotio)です。

僕は幼い頃、天文学者になりたかったのです。
その夢を叶えるべく、高校生のときは天文学が学べる大学に進学しようと決めていました。
その時にちょっと困ったことがあったんです。高校3年生の春によくよく大学を調べてみると、

天文学科って東京大学にしかないやんけ!偏差値高すぎオワタ…

もちお

天文学者になってクールに新しい発見をして自分だけの小惑星の名前をつけたい!国際的な大研究をして歴史に名を残したい!

なんて思ってた僕は、早くも心折れそうになりました。

まぁその後は色々とネットで調べて、偏差値がそんなに高くなくても行ける大学があることを知ってホッとしたものです。その後は無事に、大学・大学院で天文学の研究をすることができました。

でも、もっと効率良く天文学系の大学を選ぶ方法があることをご存知ですか?
夢見る高校生のために、その方法をご紹介します。

天文学会に参加する(聴講者として聞くだけでOK)

天文学会に参加することが、最も手っ取り早い方法です。
では、どうして天文学会に参加することが効率の良い大学選びに繋がるのでしょうか。

各大学は特定の分野に強みを持っている

天文学と一口にいっても様々な分野があり、各大学は特定の分野に強みをもっている場合が殆どです。

天文観測は一般的には波長の長さごとに区分されています。
おおまかには電波観測、赤外線観測、可視光観測、X線観測、ガンマ線観測などですね。
最近では、より高いエネルギーの天文現象を扱えるニュートリノ観測や重力波観測なんてものもあります。

このような大まかな区分だけでも、日本の各大学はそれぞれに強みと特色を持っています
もし、高校生や高専生の段階で自分自身で研究したい天体や天文現象が決まっている場合は、
この強みと特色を意識して大学を選ぶべきでしょう。

銀河や銀河周囲の構造を解明したいというのならば、可視光や赤外線観測に強みがある大学です。
また、ブラックホールの謎に迫りたいというのであればX線観測に強みがある大学です。

「なんとなく宇宙が学べればいいや」はNG

「何となく宇宙が学べるからいいや」と思いながら大学受験に臨むのと、「自分はブラックホールの謎を解明するんだ」と確な意識をもって大学受験に臨むのとでは大学受験への取り組む姿勢が大きく変わってくることでしょう。

そしてなにより入学後の勉学の姿勢にも影響が現れることが想像できますね。
できれば明確な意識をもった上で大学受験に望んでほしいものです。

自分が研究したい内容を具体化させるための場が天文学会

でもほとんどの高校生さんや高専生さんは「自分が研究したいことなんてわかんねーよっ!!」って感じですよね。笑
たしかに、普通はなかなかイメージがわかないものだと思います。

このイメージを強く鮮明にもたせることができる場所。これが、天文学会の講演の場です。

各発表者の発表の意味がわからないまでも、聞いていると「なんとなくカッコいい!」とか思ってきたりします笑 でもそれでいいんです!単なる憧れやカッコいいという気持ちを持つことができれば、研究したいこともぼんやりと頭に浮かんでくるのではないでしょうか。

で、そのカッコいいと思った発表者の所属大学と共同研究者の所属大学をメモっておきましょう

あとは、その大学の入学願書を取り寄せればいいだけですね。

天文学会への参加方法

天文学会の公式サイトに行くと参加方法が書いてあります。
基本的にはお金を払いさえすれば参加し聴講はできるようです。

日本天文学会|年会
http://www.asj.or.jp/nenkai//

聴講のみであれば、非会員価格で税込5,000円です。

なお、高校生からしたら、5,000円とか高すぎ!と思うかも知れません。
が、将来の進むべき道のヒントを5,000円で買えると思えば安いもんです
…というような説得をして保護者の方に捻出してもらいましょう。笑

遠方で参加できない場合は予稿集のみGETすれば十分

とはいえ、天文学会は毎回様々な土地で開催されます。
2018年春季は千葉、2018年秋季は姫路、2019年春季は小金井、2019年秋季は熊本…
遠方で参加できない人が大多数ですよね。

その場合は、予稿集のみ購入すれば十分です。以下のリンクを見ると税込2,000円です。

日本天文学会|年会
http://www.asj.or.jp/nenkai//

予稿集は、開催される天文学会の年会で発表されるすべての発表者・所属大学・Abstract(俗にアブストといいます、研究内容の概要のことです)が網羅されています。そのため、実は予稿集を眺めるだけでも自分が気になる研究内容をイメージすることができると思います。

もし、気になる研究内容を予稿集で発見した場合は、その大学と研究内容をググってみることです。
興味がありそうなら受験を検討してはいかがでしょうか。

時間がないときは各大学のサイトを見て決めよう

ここまで、大学の選び方を紹介してみましたが、実際にどんな大学で天文研究を行うことができるのか。
個人的な主観ではありますが、纏めてみました。以下であげる大学は天文学会や物理学会でも活発に研究成果を発表している大学だと思います。

上記で勧めた、天文学会に行くことが大変だったり時間に余裕がない、という方は以下のリンクをひとつずつ見ていき興味の有りそうな大学を見つけると良いでしょう。

北海道大学

北海道大学 大学院理学院 宇宙理学専攻
北海道大学 理学部 地球惑星科学科

惑星宇宙グループ (Planetary and Space Group)
https://www.cosmo.sci.hokudai.ac.jp/~psg/

東北大学

東北大学 大学院理学研究科 天文学専攻
東北大学 理学部 宇宙地球物理学科天文学コース

東北大学天文学教室
http://www.astr.tohoku.ac.jp/

茨城大学

茨城大学 大学院理工学研究科理学専攻 宇宙物理学コース
茨城大学 理学部 物理学コース

電波天文観測研究室
http://stars.sci.ibaraki.ac.jp/
高エネルギー宇宙物理グループ
http://golf.sci.ibaraki.ac.jp/

東京大学

東京大学 大学院理学系研究科 天文学専攻
東京大学 理学部 天文学科

東京大学天文学専攻・理学部天文学科
http://www.astron.s.u-tokyo.ac.jp/

東京工業大学

東京工業大学 大学院理学院 物理学コース
東京工業大学 理学院 物理学系

東京工業大学 理学院 物理学系
http://info.phys.sci.titech.ac.jp/laboratory/index4.html

首都大学東京

首都大学東京 大学院理学研究科 物理学専攻
首都大学東京 理学部 物理学科

首都大学東京 宇宙物理実験研究室
http://www-x.phys.se.tmu.ac.jp/home/wp/
首都大学東京 宇宙物理理論研究室
http://www-astro.phys.se.tmu.ac.jp/

埼玉大学

埼玉大学 大学院理工学研究科 物理学コース
埼玉大学 理学院 物理学科

宇宙物理実験研究室
http://www.heal.phy.saitama-u.ac.jp/

筑波大学

筑波大学 大学院数理物質科学研究科 物理学専攻
筑波大学 理工学郡 物理学類

宇宙観測研究室
http://www.px.tsukuba.ac.jp/~nakai/astroobs/
宇宙物理理論研究室
http://www.rccp.tsukuba.ac.jp/Astro/home/ja/

青山学院大学

青山学院大学 大学院理工学研究科 理工学専攻
青山学院大学 理工学部 物理・数理学科

青山学院大学 理論宇宙物理学研究室
http://www.phys.aoyama.ac.jp/~w3-yama/index.html
青山学院大学 吉田研究室
http://www.yoshida-agu.net/

立教大学

立教大学 大学院理学研究科 物理学専攻
立教大学 理学院 物理学科

立教大学 宇宙地球系物理学研究室
http://www2.rikkyo.ac.jp/web/astro-planet/

金沢大学

金沢大学 大学院自然科学研究科 数物科学専攻
金沢大学 理工学域 数物科学域

金沢大学 宇宙物理学研究室
http://astro.s.kanazawa-u.ac.jp/

名古屋大学

名古屋大学 大学院自然科学研究科 数物科学専攻
名古屋大学 理工学域 数物科学域

名古屋大学 宇宙物理学研究室 赤外線グループ (Uir研)
http://www-ir.u.phys.nagoya-u.ac.jp/
名古屋大学 高エネルギー天文学グループ (Ux研)
http://www.u.phys.nagoya-u.ac.jp/uxgj.html
名古屋大学 宇宙論研究室 (C研)
http://www.c.phys.nagoya-u.ac.jp/c-lab/
名古屋大学 重力・素粒子的宇宙論研究室 (OG研)
http://wormhole.phys.nagoya-u.ac.jp/
名古屋大学 理論・宇宙物理学研究室(TA研)
http://ta.phys.nagoya-u.ac.jp/talab/index_j.html
名古屋大学 銀河進化学研究室 (Ω研)
https://sites.google.com/site/omegalabnagoya/
名古屋大学 天体物理学研究室(電波天文学)(A研)
http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/ae/index.html
名古屋大学 太陽地球環境研究所 (STEL)
http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/

大阪大学

大阪大学 大学院理学研究科 宇宙地球科学専攻
大阪大学 理工学域 数物科学域

大阪大学 赤外線天文学グループ
http://www-ir.ess.sci.osaka-u.ac.jp/
大阪大学 X線天文グループ
http://wwwxray.ess.sci.osaka-u.ac.jp/OskXrayTlabHP/home/index.html
大阪大学 宇宙進化グループ
http://astro-osaka.jp/OUTAP/index.html

大阪教育大学

大阪教育大学 大学院教育学研究科 総合基礎科学専攻
大阪教育大学 教育学部 教育協働学科 理数情報専攻

大阪教育大学 天文学研究室
http://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/
大阪教育大学 宇宙科学研究室
http://web.nsc.osaka-kyoiku.ac.jp/nsystem/sadakane/index.html

京都大学

京都大学 大学院理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻
京都大学 理学部 物理学・宇宙物理学専攻

京都大学 宇宙物理学教室
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/index-j.html
京都大学 基礎物理学研究所(宇宙分野)
https://www.yukawa.kyoto-u.ac.jp/contents/labs/astro
京都大学 大学院理学研究科付属天文台
https://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/

京都産業大学

京都産業大学 大学院理学研究科 宇宙地球科学専攻
京都産業大学 理学部 宇宙物理・気象学科

京都産業大学 宇宙物理・気象学科
http://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/sc/uchu.html

広島大学

広島大学 大学院理学研究科 物理科学専攻
広島大学 理学部 物理学科

広島大学 宇宙物理学研究室
http://theo.phys.sci.hiroshima-u.ac.jp/~astro/index.html
広島大学 高エネルギー宇宙・可視赤外天文研究室
http://www-heaf.astro.hiroshima-u.ac.jp/

愛媛大学

愛媛大学 大学院理学研究科 物理科学専攻
愛媛大学 理学部 物理学科

愛媛大学 宇宙進化研究センター 宇宙大規模構造進化研究部門
https://cosmos.phys.sci.ehime-u.ac.jp/Cosmos/index.html
愛媛大学 宇宙進化研究センター ブラックホール進化研究部門
http://www-astro.phys.sci.ehime-u.ac.jp/

山口大学

山口大学 大学院理工学研究科 物理・情報科学専攻(大学院は2016年度募集停止)
山口大学 理学部 物理・情報科学科

山口大学 電磁宇宙物理学研究室
http://astro.sci.yamaguchi-u.ac.jp/
山口大学 時間学研究室
http://www.rits.yamaguchi-u.ac.jp/

鹿児島大学

鹿児島大学 大学院理工学研究科 物理科学専攻
鹿児島大学 理学部 物理科学科

鹿児島大学 宇宙物理学研究室
http://milkyway.sci.kagoshima-u.ac.jp/~hnakanis/
鹿児島大学 理論系 和田研究室
http://astrophysics.jp/wada/

まとめ

天文学が勉強できる大学の賢い選び方を紹介するという記事でした。

天文学会への参加や予稿集を入手することが近道ということでした。
また、どうしても天文学会に行けない場合は、上記リンクの大学をひとつずつ見ていくのも良いでしょう。

皆さんのご検討と天文学者としてのご活躍をお祈りしています!!

以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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以上、もちおでした〜!

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