こんにちわ、もちお(@mizumotio)です。
この記事では、星野源について僕の思うことを述べています。僕が思うに星野源は「化物」です。
目次
星野源は「化物」
多才で様々なシーンで活躍する星野源。音楽、俳優、作家のみでなく、最近では細田守監督作品の「未来のミライ」で声優としても活躍の幅を広げています。
星野源が声の出演をする細田守監督の最新アニメーション映画『未来のミライ』の完成披露試写会に出演しました!
『未来のミライ』は7/20より全国の映画館で上映になります。是非、ご覧ください!#未来のミライ pic.twitter.com/nnYdIKeKPM— 星野源 official (@gen_senden) June 25, 2018
こんな話をすると確実に聞こえてくるのが
- 星野源は幅広い女性に大人気!
- 星野源はあんなに才能があるのに嫌味がない。なおさら好き!
- 星野源は素朴で身近な感じがして大好き!
こんな反応ですよね。笑
ですが、個人的に思う彼の魅力は、
「星野源は『一寸先は闇』を表現する天才である」ことだと思っています。
象徴的な作品として彼の「化物」という楽曲があげられます。この作品は星野源の闇を語る上で、避けては通れない楽曲です。
「一寸先は闇」の意味するところ
そもそも「一寸先は闇」とは、どういったことを意味するのでしょうか。
以下のリンクによると「ほんの少し先のことも全く予知できないことのたとえ」とのことです。
一寸先は闇|コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E4%B8%80%E5%AF%B8%E5%85%88%E3%81%AF%E9%97%87-434276
また、「闇」とは光が無く、真っ暗な状態をあらわす言葉ですね。
この記事では「闇」=「人生においてほんの少し先のことですら、全く見通しが立たず絶望している状況」として解釈してみます。
星野源が表現する「一寸先は闇」とは
星野源の闇を語る上で避けては通れない「化物」。この曲は2013年5月に発売された星野源の3rdアルバム「Stranger」でリード曲としても華をそえています。
実は、この「化物」のレコーディングを終えたまさにその直後、星野源がくも膜下出血で倒れ入院し、生死の境をさまよっています。ご存知の方も多いことでしょう。
実際、「化物」は闘病中の星野源の状況をまるで予言していたかのような、暗闇のまっただなかにいるような歌詞の内容となっています。
今日もまたもらった両手の雨を
瞳の中にしまって
明日またここから幕が開くまで
ひとりお家に帰る風呂場で泡立つ胸の奥騒ぐ
上記のA・Bメロの歌詞をゆっくりと読んでみてほしいのですが、日々の耐えきれないほどの辛さ、悲しさ、悔しさ、痛みを「両手の雨」と表現し、これを表に出さず、こころのうちに抱えながら明日も日々を続けていく。
そして、その苦しみを爆発させるように以下のようにサビに続きます。
誰かこの声を聞いてよ
今も高鳴る体中に響く
叫び狂う音が明日をつれてきて奈落の底から化けた僕をせり上げていく
知らぬ僕をせり上げていく
心の中の痛み、不満、劣等感、そういったマイナスの感情を「叫び狂う音」と表現しています。
マイナスの感情をどんなに沢山持って吐き出しても、明日は必ず訪れることをうたっています。
また「せり上げる」という表現は、決して自分の意思ではなく、押し出されるように日々が続いていくことを表現しているようにもとれます。
「一寸先は闇」の中でも、未来の知らない自分=「化物」への期待をわずかでも夢見ている主人公の姿が目にうつるようです。
「化物」という作品の背景
上述のように、「化物」では暗闇の中でもがき苦しんでいる「一寸先は闇」の状況を描いている、と僕は解釈しています。
「つらい状況を乗り越えられるよう、日々の辛さや痛みが自分自身をせりあげてくれる」そんな、自分を鼓舞してくれるような楽曲で、辛いことに耐え抜く胆力と一歩踏み出す勇気が貰えるような曲です。
とはいえ、実は、こういった趣旨の楽曲は世の中には沢山あります。
最近でいえば、RADWIMPSの「会心の一撃」やMOROHAの「三文銭」など、少し古いものだとフラワーカンパニーズの「深夜高速」などですね。ものすごく大好きな曲たちです。
ですが、「化物」が他の作品と決定的に異なる点がひとつあります。
それは「星野源自身が病に倒れ、その苦しみを経て復活したからこそ、この楽曲に具体的な説得性が生まれた」ということです。
「病気になったから説得力が生まれたの?」とイジワルな質問も聞こえてきそうですが、ちょっと待ってください!違うんです。
ひとまず、この時期の星野源の状況を時系列で整理してみましょう。
時期 | 出来事 |
2012年12月某日 | 「化物」のレコーディング完了。 スタッフ全員で拍手をしているときに倒れる→緊急入院 |
2012年12月21日 | くも膜下出血と診断され活動休止を行うことが発表 |
2013年2月28日 | ラジオの仕事で活動復帰 |
2013年5月1日 | 「化物」が収録されたアルバム「Stranger」発売 |
2013年6月 | 術後経過が万全でなく、再度活動休止 |
2014年2月6日 | 復帰ライブ「星野 源 ワンマンライブ ”STRANGER IN BUDOKAN”」敢行。復帰1曲目は「化物」。 |
ちなみに、この時期の心情については、星野源の著書「蘇える変態」で生々しく綴られています。
「化物」はライブで歌われる度に説得性が増す
2012年12月〜2014年2月に渡る闘病期間を経て、彼はまさに「化物」として武道館ライブで復帰しました。
その復帰ライブの一発目、最初の音楽が「化物」だったんですね。
僕はこのライブを実際に見に行きましたが、本当に号泣しました。これほどまでにロックンロールな存在というものは見たことがない。
2013年5月に「化物」という曲が世の中に出て以来、ファンのひとりひとりの心の中には、
「苦しいことばかりで一寸先は闇だけど、「化物」の自分に出会うためにもう一歩進んでみよう」
このようなメッセージを「化物」という作品から受け取っていた人もたくさんいたと思います。
そんなさなかに、星野源の病状が悪化し再度活動休止。ここからの休止期間は長く、「本当に戻ってくるのか‥」と心配になったファンも少なくなかったのではないでしょうか。
星野源は今や「SUN」や「恋」といった全くテイストの異なった楽曲でスマッシュヒットも飛ばしていますが、それは彼が奈落の底からせりあがった結果なんです。
「化物」はライブで聞く度に彼のどん底で奈落の時代を思い出させ、一方で星野源が前向きにストイックに進んでいることを語ってくれます。
歌うたびに楽曲の説得力が増し、見たことのない景色が見える。聞けば聞くほど、勇気づけられる。
「化物」はそんな不思議で力強い楽曲となっているんです。
「一寸先は闇」の先は必ずしも「光」ではない。
星野源は「化物」という作品の中で「闇の中にいる男」を描きました。
その後、自分自身が闇の中に身をおき、実際に歌詞通りに復活しました。
しかし、星野源自身、こんなことも言っています。
そして生活はつづく|星野源
たとえ戦争が起きたとしても、たとえ宝くじで2億円当たったとしても、たとえいきなり失業して破産してホームレスになってしまったとしても、非情な現実を目の当たりにしながら、人は淡々と生活を続けなければならない。
全ての人に平等に課せられているものは、いずれ訪れる「死」と、それまで延々と続く「生活」だけなのである。
星野源は「一寸先は闇」の先にあることを、光だとは決して捉えていません。
非情な出来事があったとしても淡々と生活を続けていく。
でもそれでもいいじゃないか、延々と続くのならばその生活を面白がろうじゃないか。
そう捉えている旨のことを「そして生活はつづく」の中で語っています。
そんなスタンスでいるからこそ、星野源が色んな世代の色んな人に愛されているのかもしれません。
まとめ
星野源は「一寸先は闇」を表現する天才だと言う記事でした。
ほとんど「化物」という作品のレビュー記事となってしまいましたが、この不思議で力強くコミカルな曲にこれからも勇気づけられていくことでしょう。
以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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以上、もちおでした〜!
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