ITIL Version3 で例示されている登場人物と役割

こんにちわ。mochioです。
ITILを調べる機会があったのですが、日本語で纏まっている記事が意外と少ないので纏めました。

ITILとは?

企業活動で重要である情報システムの運用をITサービスと捉えた上で、そのITサービスの方法論を例示している書籍のことです。

ちなみに、ITILとはInformation Technology Infrastructure Library の略です。

そもそもITILはどこで入手できるのか?

基本的には、ITILは購入しないと入手できません

ITIL Version3は1冊20,400円(税込)、全5冊セットで61,600円(税込)にもなります。

個人で買うのは非常に躊躇しますねw サラリーマンの方で会社が買ってくれる場合は会社に買ってもらうと良いでしょう。itSMF Japan(IT Service Management Forum Japan)のサイトにて購入することができます。

itSMF Japan ITIL コア書籍購入サイト:http://www.itsmf-japan.org/books/

なお、The Stationary Office (TSO:英国出版社)とitSMF UK (IT Service Management Forum UK)が共同で出版したハンドブックがWeb上で公開されています。英語ではありますが、ITIL Version3 (2011 Edition)の内容を大まかに把握したい場合はこちらを参照すると良いです。

ITIL Version3 ハンドブック:https://www.tsoshop.co.uk/gempdf/itSMF_An_Introductory_Overview_of_ITIL_V3.pdf

ITIL Version3(2011 Edition)は5つのコア書籍で構成

ITIL Version3 (2011 Edition) の5つの各コア書籍は以下の通りです。

  1. サービスストラテジ
  2. サービスデザイン
  3. サービストランジション
  4. サービスオペレーション
  5. 継続的サービス改善

ITIL Version3 (2011 Edition) のコア書籍とその内容は、ITMedia等の他サイト様の記事で詳しく解説されています。

よって、本記事では「ITIL Version3ハンドブック」で言及されている、各サイクルで登場する人物とその役割を紹介します

①:サービスストラテジの登場人物

  • IT戦略マネージャー
    IT戦略を策定し共有する。IT戦略を成功させるための要素を確保する。
  • ITステアリンググループ
    ITコーポレートガバナンスとIT戦略の全体的な方向性について責任を負う。
  • ITディレクター/サービスマネジメントディレクター
    全てのITサービスの管理プロセスとサービス管理オフィスについて責任を負う。
  • サービスボートフォリオマネージャ
    サービスとサービスパッケージを定義する。全ての関係者とのコミュニケーションを含むサービスポートフォリオの管理と維持を行う。
  • ビジネスリレーションシップマネジャー
    顧客のビジネスと成果を理解し、顧客との関係を維持する。この役割は、サービスレベルマネージャの役割と組み合わせることができる。
  • 顧客/ユーザー
    ニーズを明確にし、ビジネス成果へのサポートを保証する。
  • 財務マネージャー
    ITサービスのコスト・成果を追跡するための情報を活用した財務モデルを定義し、維持する。
  • デマンドマネージャー
    ビジネス活動パターンとユーザープロファイルを識別し文書化する。需要の変動に対応するためのIT機能を確保する。
  • チーフ・ソーシング・オフィサー
    調達オフィスの指導と指揮を担当する。最高情報責任者(CIO)と緊密に連携して、組織内の調達戦略を策定する。

②:サービスデザインの登場人物

  • デザインコーディネーションプロセスマネージャ
    新規または変更されたサービスのサービス設計活動の全体的な計画、管理、調整を担当する。
  • SCMプロセスマネージャー
    正確なサービスカタログの作成と維持を担当する。
  • SLMプロセス・マネージャー
    サービス品質レベルが合意され、満たされていることを保証する責任を負う。
  • 可用性管理プロセスマネージャー
    すべてのサービスが合意された可用性目標を満たすことを保証する責任を負う。
  • キャバシティ管理プロセスマネー
    ITキャバシティが現在および将来のビジネス要求と整合することを保証する責任を負う。
  • ITSCMプロセスマネージャー
    合意されたビジネスニーズ、要件、およびタイムスケールに沿ってすべてのサービスを復旧できるようにする責任を負う。 セキュリティ管理プロセスマネージャ 合意されたビジネスセキュリティポリシーのリスク、影響、要件と整合するITセキュリティを確保する責任を負う。
  • サプライヤ管理プロセスマネージャー
    金銭的な価値はすべてのITサプライヤとその契約から得られ、契約および基盤契約が事業のニーズに沿ったものであることを保証する責任を負う。
  • ITプランナー
    ITプランの生産と調整を担当する。
  • ITデザイナー/アーキテクチャ
    必要とする技術、アーキテクチャ、管理システム、設計の全体的なデザインを担当する。

※SCM(Service Continuity Management):サービス継続性管理
※SLAM(Service Level Management):サービスレベル管理

③:サービストランジションの登場人物

  • 移行計画サポートプロセスマネージャ
    各サービス移行の最終日的な提供が、サービス設計ッケージで定された顧客およびステークホルダーの要件を満たしていることが確実であるプロジェクト、サプライヤ、およびサービスチーム間のサービス移行活動を調整する責任を負う。多くの組織では、サービス移行マネージャを設置しており、プロセスオーナーと移行計画をサポートし、プロセスマネージャの役割をサポートする。
  • 変更管理プロセスマネージャ
    変更ライフサイクルを通じてITサービスに加えられたすべての変更を管理する責任を負う。
  • 権限の変更
    変更ライフサイクルにおける合意されたポイントでの変更のレビューと正式な認証を担当する。
  • SACMプロセスマネージャ
    ITの支配下にある固定資産の管理に責任を負う。サービスを提供するために必要な資産が適切に管理され、その資産に関する正確で信頼性の高い情報が利用可能であることを保証する責任を負う。
  • リリース/デプロイ管理プロセスマネジャ
    既存のサービスの完全性を保護しながら、新機能を提供するリリースのビルド、テスト、デプロイを計画、スケジューリング、制御する責任を負う。
  • サービス検証およびテストプロセスマネージャ
    新規または変更されたITサービスがその設計仕様に適合し、ビジネスのニーズを満たすことを保証する責任を負う。
  • 評価プロセスマネージャの変更
    意思決定を支援するためのサービス変更のパフォーマンスを決定するための標準化された手段を提供する責任を負う。
  • ナレッジマネジメントプロセスマネージャー
    ナレッジが共有され、ナレッジに基づいた意思決定を可能にし、効率を向上させることを保証する責任があります。

※SACM(Service Asset and Configuration Management):サービス資産・構成管理

④:サービスオペレーションの登場人物

  • インシデント管理プロセスマネージャ
    事故が特定された後、通常のサービスができるだけ迅速に復旧し、事業活動への悪影響を最小限に抑えることを確実にする責任があります。
  • 問題管理プロセスマネージャ
    身元確認から調査、文書化、最終的な削除、インシデントや問題の影響を最小限に抑え、問題の再発防止に積極的に取り組む等の問題管理を担当する。
  • フルフィルメントプロセスマネージャーの依頼
    サービスレベルの目標内でサービス要求が確実に実行されることに責任を負う。
  • イベント管理プロセスマネージャ
    イベントが適切に管理され伝達されるようにする責任を負う。
  • アクセス管理プロセスマネージャー
    アクセス権がポリシーに沿って効率的に管理されるようにする責任を負う。

⑤:継続的サービス改善の登場人物

  • CSIマネージャー
    CSIマネージャーは組織内の全体的なCSI活動を担当するが、詳細な記改善に関連する作業の殆どは、 各ライフサイクルの段階、プロセス、および活動の中で実行される。 CSIの枠組みのもとで働くサービスオーナーは、サービスの改善を担当。

※CSI(Continual Service Improvement):継続的サービス改善

まとめ

以上の通り、多様な登場人物が定義され、各々の責任を担うことが例示されていることがわかります。

ITIL Version2 から Version3への変更点は、各プロセス自体は相互に関連が深くPDCA的に改善を行いながら、プロセスを回していくことが強調されていることです。

ITサービスをより良いものとするため、各役割はPDCA的に相互に関連を持ち役割を遂行する必要があるでしょう。

以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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